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8月に書く出産記 帝王切開編

2009/06/04/00:00  カテゴリー/[日常]日常

 手術室には結構な人数の人がいた。私はてっきり先生と麻酔医さんと看護師さん2人くらいかと思ったけど、7〜8人はいた。もっといたかもしれない。先生はいつも診てもらってた女医さんだけでなく、彼女の父親でありその産院の院長でもあるおじいちゃん先生もいた。



?(゚∇゚|||)
帝王切開ってこんなに大掛かりなものなんだ



 ビビってると、1人の女性から声を掛けられた。

女性
「麻酔を担当します○○です。よろしくお願いします」

 こんな時だけど、いらん時にいらん事を考える癖が発動。つい『チーム・バチスタの栄光』を思い出してしまい、“あれは麻酔医が犯人だったな・・・”とか全くもって関係ないことを考えてしまった。


「よろしくお願いいたします」

と返したけど、「くれぐれも」と付けそうになった自分を抑える。
 素っ裸で手術台に乗せられ、右腕に血圧計を取り付けられた。これは定期的に測定するようになってて数十秒ごとにピーッと鳴るんだけど、そうとは知らず


「なんか何回も計ってるんですけど」

 壊れてるんじゃないスか調で言って恥をかく。手術中は血圧を計り続けるらしい。
 さて、横向きになって背中を丸めるよう言われる。しかし陣痛による子宮の張りで体を丸めることができない。


「すみません、これ限界です」

と言うと、麻酔医さんが背骨を確認し始めた。いよいよ脊髄注射が始まる。背中にツーッと何かが入っていく感触がしたのは気のせいだろうか。
 仰向けになり、両腕を広げた状態で手首を手術台にくくりつけられ、体全体に布が掛けられた。TVとかで見る、緑っぽいあの布だ。正直怖い。ガチガチに緊張していた。さっさと始めてさっさと終わって欲しいと願う私に、麻酔医さんが麻酔が効いてるか確認すると言った。
 まず肩にアルコールが塗られ、手でパタパタとされる。

麻酔医さん
「これ、冷たいですよね」


「あ、はい」

 続いて麻酔さんが私のお腹辺りに移動した。

麻酔医さん
「これ、冷たいですか?」


「はい、若干」

 こえぇ・・・。
 しばらく時間を置いて同じことをされた時には、もう何も感じなくなっていた。つまり手術開始。カチャカチャと器具の音が聞こえてちょっと恐怖感が増す。看護師さんの1人が血圧計がピーッと鳴る度に数値を読み上げ始めたから、それに集中することにした。
 いつの頃からか病院で自分に施される処置は一切見るタイプだったんだけど、腹の皮と内臓を切り開かれると思うと怖い。もう目を閉じることにした。
 しばらくして、麻酔医さんに声を掛けられた。

麻酔医さん
「今、痛みありますか?」

 え?つまり今切ったってこと?メス入ったの!?言われてみれば、じーんとくる痛みがある・・・気がした。気のせいかもしれないと思ったけど、やっぱ何か痛い。


「思ったより痛いです」

麻酔医さん
「麻酔をちょっと強めましょうね」

 またしばらくして。

麻酔医さん
「今、痛みありますか?」


「うーん。痛いような気がします・・・」

 怖さが痛みを錯覚させてるのか本当に痛いのか、もはやわからない。

麻酔医さん
「頭がボーッとなる薬を入れましょうね」

 陣痛促進剤の時からつけっぱなしだった点滴に、注射器で何かを入れた。またまたしばらくして。

麻酔医さん
「今、痛みありますか?」


「わかりません・・・」

 頭がボーッとなったのかどうかもわからない。わからないってことは効いてるんだろうけど、その時はただ腹が開かれてる状態なのが怖い。
 切って取りだして縫うだけだと思ったら、結構時間が掛かった。早く終われとずっと思ってたから、長く感じただけなのかもしれない。もう取り出したのかな?まだなのかな?と思っていると、突然腹をぐいぐい押された。



((((;゜д゜))) ((((;゚Д゚)))
もしや・・・。今まさに、赤さんを押しだしてる・・・?
ヒイィィィ!!!



 そうやって出すなんて考えてもみなかった。麻酔医さんに「まじっすか」と言いそうになったけど耐える。結構な時間ぎゅうぎゅう押され続けてた気がするけど、長く感じただけなのか実際長かったのかは不明。押され終わるか終わらないかぐらいで、

看護師さん
「出てきましたよ。元気な女の子です」

と声が掛けられた。
 帝王切開だから、処置しないと産声が上がらない。自分の力で泣かせてあげられなくてごめん。
 え?こんなに時間かかるの?もしかして何かあったの?だからなかなか出てこなかったの?というくらいの時間が経ってようやく、

「ほにゃー ほにゃー」

という声が聞こえてきた。私にはこう聞こえた。
 こんなに産まれるのを拒否される前は、



( ´ω`).。oO
産まれてきたら感動するだろうなぁ。
私、泣くかも。
無事出てきて抱っこさせてもらったら一番最初に旦那サンにお礼言おう。
それから産まれてきてくれた赤さんにもお礼言おう。



と、恥ずかしながらメルヘンなことを考えていた。しかし実際は手術で取り出してもらい、1人で赤さんと対面することになった。しかも手術台にくくりつけられた状態で。
 看護師さんがほにゃほにゃ泣いてる赤さんを抱いて私の見えるところに連れて来てくれて、見せてくれた。

看護師さん
「ほら、元気な女の子ですよ。こんなに泣いて。ちょっと触りましょうね」

と、赤さんの足を私の手にちょんちょんと触れさせてくれた。


「紫・・・」

看護師さん
「はい、じゃあ処置がありますからね〜」

 赤さんは連れて行かれた。あれ?私、赤ちゃん見て第一声は「紫」で、しかもそれしか言ってない・・・。産まれたての赤ちゃんって紫っぽいのは知っていた。実際見ると本当に紫で、思わず「紫」って言っちゃって・・・。でも、それっきりとか・・・。そりゃないよ。
 もう一度赤ちゃんを見せてもらえるかと思いきや、しばらくして(多分、縫合とかされて)緑の布が取り払われ、病院の入院着を着せられ、ベッドごと移動が始まった。



(゚ー゚*?)
あれ?赤さんは?



 私の病室がある2階まで運ばれ、ナースセンターの前を通る時に看護師さんに声を掛けられる。

看護師さん
「ほら、赤ちゃんですよ」

 赤さんは既に新生児室にいて、保育器にいれられていた。なんせベッドに寝たままだったんでよく見えなかったんだけど。
 病室には旦那サンと私の両親と妹が来ていた。


「おめでとう。色白だったよ」


「うんうん」


「ちゃんと手足の数もあったし」


「うん」


「遅くまでお腹にいただけあって、体重もしっかりあったし」

 私が41週腹に入れ、私の血と肉で育てたはずなのに、私より赤さんの外見に詳しいんでちょっとジェラシー。
 手術後はエコノミー症候群になるとかで(しくみは説明されたけど、もう忘れた)足の裏に一定間隔でポコンポコン刺激を与える物を取り付けられた。真面目に話してるのに「ポコン・・・ポコン・・・」とちょっと愉快な音がして、ちょっと情けない。
 旦那サンはこの日の最終電車で帰る予定になっているし、「疲れてるだろうから」と家族は帰っていき、私は1人寂しく病室に取り残された。まだ麻酔は効いてるし、私自身は仰向けに寝てただけなんでそれほど疲れは感じない。だけど、電気を消された部屋で目を閉じた辺りから記憶がないんで、あっさり寝たようだ。

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