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ブックスタートについて

2009/10/13/11:35  カテゴリー/[育児]本のこと

 赤ちゃんは親をはじめとした周囲の人々から愛情に満ちた抱っこや言葉かけをしてもらうことで、愛されることの喜びを感じ、自分が大切にされている存在だということを知るらしい。
 抱っこされて言葉をかけてもらうという赤ちゃんにとって幸せなひと時を、絵本はごく自然に作り出すことができる。言葉かけと言っても何を話していいかわからないというパパ・ママでも、絵本を媒体にすることで自然に「抱っこ」と「言葉かけ」ができる。
 すべての赤ちゃんにそんな幸せを感じてほしいという考えから1990年代にイギリスのどっか(うろ覚え)で、赤ちゃんが生まれた家に絵本を配るという活動が始まった。
 日本でブックスタートが始まったのは世界で2番目。試験的に始めた市では、最初は健診の時に10人ずつぐらいのママに円座になってもらって話していたんだそうだ。でもそれだと遠くの方に座ってるママ達はお互いにおしゃべりしたりして、ちゃんと話を聞いてもらえないことがあると気付いたんだとか。で、かなり大変にはなるけど1人ずつ説明をし、実際に絵本を開いて赤ちゃんの反応をママに見てもらい、

「まだ絵本とか理解できないんじゃないですか」

というママにも、

「絵本は赤ちゃんとママとを繋ぐものなんですよ。
書いてあることの意味はわからなくても、絵を見たり話す言葉を聞いたりするだけで赤ちゃんは幸せを感じるものなんですよ」

と話していった。対大人数だとこういう疑問も解消されないまま、適当な年齢になるまで絵本を開かないママもいたことだろう。
 大変ながら1人ずつ説明する作戦は成功し、すべてのママにブックスタートの真意を理解してもらえることができました。めでたしめでたし。
 私の地元では、田舎のくせに日本でもわりと早い時期にブックスタートを始めた。市町村によって実施するのは保健所、図書館、地域ボランティアとか様々らしいけど、私の地元は図書館が市に提唱して実施に至ったんで図書館が主体。だから司書が1歳半健診に行って、説明&絵本の配布をしている。
 私は児童担当ではなかったから健診に行ったことはなかったけど、研修は受けさせられた。万が一カウンターで尋ねられた場合にはきちんと説明できるようになっておくように言われたもんだ。実際には私自身は質問されたことなかったんで、段々うろ覚えになってきたんだけど。
 たまに子供ができた友達に聞かれたりしたことはあったけど、「平たく言うと、赤ちゃんに言葉をかけるのが大切って言ったてネタも尽きるだろうから、ここはひとつ絵本でも読んでみたら間がもつんじゃないですかみたいなもん」と、かなり大ざっぱな説明をしていた。あの頃の皆さますんません。でも1歳半健診できちんと説明してもらえるから、私が乱雑でも大丈夫だったでしょ、うん。
 私が以前勤めていた図書館では、ブックスタート支援団体であるNPO法人から“ブックスタートパック”というやつを購入して配っている。私の地元は貧乏だけど頑張って、絵本が入る大きさの布製バッグ、絵本1冊、パンフレット。あとは図書館の利用案内と利用申込用紙を入れていた。お金をかける市は、絵本が数冊入ってたり、スタイも付いてたりとかするらしい。

 さて、昨日の4ヶ月健診でブックスタートがあることは知っていた。これまでブックスタートの説明をする側として研修を受けたり、実際説明している人から話を聞いたりすることはあったんだけど、説明を受ける側になるのは初めてなんで楽しみにしていた。かなり楽しみにしていた。
 ところが実際は説明なんかなくて、紙袋に入った絵本を渡されただけ。紙袋っていうか、大判封筒でしかない。中は絵本が1冊とパンフレット、「子どもと本の日」のチラシ、図書館・文庫の案内。あとはアトピーやら離乳食やらの説明書きが入っているのみ。
 私のがっかり感は、そりゃーもう大きかった。今住んでるところは曲がりなりにも政令指定都市。しかも図書館は相当大きく、市立図書館としては全国でもかなり大きい方だ。だから、相当な期待をして行ったのに・・・。
 なんかね、ブックスタートを導入する市町村が徐々に増えてきてて、それなりに高評価を得ているようだから、ウチの市としても始めないわけにはいかない。でもお金はかけたくないっていう魂胆が見えてくるような。始めないわけにはいかないけど、赤ちゃんに絵本を配るなんて無駄遣いだっていう御上の声まで聞こえてきそうな。
 本当にがっかり極まりない。
 健診の流れが書かれた紙っ切れには「絵本の読み聞かせ」があると書いてあったけど、実際にはなかった。もしかしたら私が行った週だけたまたまなくて、他の週ではちゃんとやってて、そこで一斉説明があったりするのかな?せめてそうであってくれればいいけど。
 ちなみに、今年のブックスタートで配る絵本は『おつきさまこんばんは』だと聞かされていた私。あんまり好きじゃないけど仕方ないと思っていた。ところが封筒を開けてみると、入っていたのは

どうぶつのおかあさん (福音館の幼児絵本)


 どこまでもガセネタに踊らされる健診なんですけど・・・。「『おつきさまこんばんは』が配られるらしいよ」って言っちゃった何人かの方々。すみません。この『どうぶつのおかあさん』は結構な良書なんで勘弁してください。いやまあ、私と『どうぶつのおかあさん』は無関係なんだけど。
 『どうぶつのおかあさん』、デフォルトされたかわいい絵じゃなくて写実的なリアリティある絵がいい。動物たちの息遣いさえ感じられるような丁寧な絵だ。
 文章は過剰な修飾は一切なくて淡々としてるんだけど、絵と相まって動物の母親の愛情と子供の信頼がストレートに伝わってくる。飾り立てることなくありのまま描かれている動物親子の様子はそのまま自分に重なって、我が子を改めて抱きしめたくなるような絵本だ。
 感じ方は人それぞれで「この絵本かわいくない」って人もいるかもしれないけど、私はこの本で本当に良かったと思う。

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